大物テロリストにそっくりな米軍将校を(エイダン・クイン二役)、テロリストに殺されかけたCIA職員のドナルド・サザーランドと二人を取り違えたイスラエル情報部員のベン・キングスレーが鍛え上げてテロリストの替え玉にし、テロリストがCIAに寝返ったとKGBに思わせて暗殺されるように仕向ける。
アクション・シーンもかなりあるけれど、よき家庭人である将校が訓練と実戦を重ねるうちにだんだん内面までテロリストに接近していく感じがまたスリリング。
ドナルド・サザーランドがやっていると、自分を殺そうとしたテロリストそっくりの男を訓練にかこつけていたぶっているのではないかと怪しみたくなったり、本物も偽者も両方まとめて始末するのではないかとと思わせたり、いろいろ想像をしてしまいます。
将校の方も、逮捕した相手を「訴えてやる」とやたらと連呼したりして、ちょっとイヤなところがあるのは押さえています。
訓練シーンで、まずい粥を寸胴いっぱい食べさせられるのがすごくイヤ。ろくなものを食べていないから性格が歪んだというのは、もっともらしい。
最初の方でそっくりの人間が二人いるというのが呑み込みにくかったり、ラストの処理も凝りすぎているのではないかと思ったりで、こういうモチーフだから混乱するところはある。
(☆☆☆★)