勝新太郎の初監督作。
あ、こりゃ北野武の先輩だな、と思った。
この1月に亡くなった川勝正幸氏が映画作家としての勝新をデニス・ホッパーにたとえていたけれど、役者、というより存在自体がパフォーマーといったタイプの人が監督すると、書かれた文字による論理や枠組みではなく、その場その時の肉体のアクション・リアクションの軌跡を記録していってシナリオはフィルムと同時に完成する、という作り方になるらしい。
当然、ストーリー主義的な商業映画からは離れた作りになり、監督は著名人なのに興行的にはしばしば苦しくなるのも共通している。
今BS・CSでテレビ版の勝新がワンマン体制で作った座頭市が再放送されているけれど、見ていて面白い、と思うかどうかというと
ただ、やっている役者にとってはずいぶん解放感あるのではないか、と想像する。
音楽のセンスが今でもモダン。古典(長唄と三味線)やっている人は耳がいい。
(☆☆☆)