派手な撃ち合いから始まり実は撮影中の映画の現場であることがわかるというつかみはありがちだが、そのあとのひとつひとつの撮影現場がそのたびにメイキングを逸脱して撮影中の映画そのものになってしまうのが繰り返される。
エンドタイトルでもどこそこの映画の出演者と監督ほかといったまとめ方をされて、あとなぜか他のスタッフ一同のローリングタイトルが斜めに名前が並べられていて、こういうタイトルデザイン「エイトメン・アウト」以来かなと思う。
逸脱は次第にエスカレートして主人公が憧れるスペインの巨匠のオーディションを受けるあたりはまだ撮影に入っていない映画のイメージがシルエットで先走って現れるあたり、虚実皮膜というより虚の方が現実に嵌入してくる感。
何度もローカル線の運転席から撮った風景が繰り返し入ってくるのが一方で旅回りという非日常が日常になっている感じを出した。
麻生久美子の飲み屋の女性との淡い恋心の描写が今どきの中年男らしい。
(☆☆☆★)
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映画『俳優 亀岡拓次』 - シネマトゥデイ