逆にそういう関係があるから公務員になれないのはおかしいという考え方もアメリカにはありそう。
とにかく警察も議員もFBIも広い意味でみんなアイリッシュ仲間なので外部から手を突っ込むのが難しいというひどい状態。原題がBlack Mass(黒い集団)になっているわけだ。
一方で画面を見ている感じでは逆に仲間意識というか「ゴッドファーザー」的な身内感は薄く、みなばらばらになっている。
ジョニー・デップが招かれてふるまわれたステーキがうまいと褒めてレシピを教えてくれといい一家の秘密だと断られてもしつこく聞きそれではと教えると、おまえは秘密をそんなに簡単に教えるのかと逆ギレ的に脅しにかかる怖いシーンなど典型。
撮影が明らかに日本人の名前(Masanobu Takayanagi)なので、どんな人だろうと思った調べたら「高柳雅暢」氏は東北大学を卒業して渡米、これまで「GREY 凍れる太陽」「ファーナス 訣別の朝」「世界にひとつのプレイバック」そして「スポットライト」などを手がけている。2015年からASC(American Society of Cinematographers)のメンバー。
議員の部屋のものものしい雰囲気と、FBIの官僚的で冷え冷えとした世界と、ギャングたちの住む荒涼とした世界の雰囲気をすべてメリハリをつけて描出している。
ジョニー・デップはもともと扮装に非常に凝る役者だけれど、禿かけた頭や腐ったような歯など美形ぶりを否定したくて仕方ないようなすごいメイク。
ほか脇のそれほど有名ではない役者の芝居が見もの。
タイトルデザインが「セブン」に似ていると思ったらやはり同じカイル・クーパー。
(☆☆☆★)
![](https://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/1109た/img3338.gif)
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