牛丼(ネフローゼで腎臓悪いのにそんなもの食べていいのか)は吉野家に限るなど特定の外食の店しか食べないとか、爪や髪も生きているから斬らないとか、すごい酒癖が悪いとか性格的な偏りが実際にそばにいたら鬱陶しいだろうが映画で見るとおもしろい。
一方でやはり天才でも人格的にフォーマルな羽生善治といういかにも対照的な天才に強いライバル意識をもって挑んでいく構図もおもしろく、初めて羽生に勝ったあと二人だけで小さな店で飲みかわす場面が外で雪が積もっていたりして、おそらく二人にしかわからない世界を感じさせなんともいえない情感がある。
ただその後の対戦でしきりとこの場面がフラッシュバックされるのはせっかくのいい場面がくどく繰り返される格好になって、いただけない。なんでこういう調味料の入れすぎみたいなことになるのか。
松山ケンイチが20kg増量し羽織袴で歩いていると相撲取りかと思うような体形になってのなりきり演技。この人自身ちょっと歪な天才という風情がある。
羽生役の東出昌大がまたそっくり。
20年くらい前だとテレビはブラウン管で携帯もなくビデオはVHSというのが今さらながらずいぶん様変わりしたものだと思わせ、テレビの脇に「リバー・ランズ・スルー・イット」(1992)の手書きのラベルを貼ったVHSがあったりする。
(☆☆☆★★)
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