prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「殺されたミンジュ」

2016年12月02日 | 映画
いきなり拉致された男が拷問されやった悪行を書いて告白しろと命令される、という場面が続き、軍隊か秘密警察が市民を弾圧しているのかと思わせる絵面が続くが、その拷問している連中が犯行のたびに軍隊やヤクザなど恰好をいちいち変えるので、あれと思うことになる。

犯罪を行っても揉み消せるような社会の上層部でうまくやっている連中を拉致し、うっぷんを晴らしているということなのだが、見ていて「必殺!」みたいにはおよそすっきりはしない。
拷問そのものがやたらと生々しい(韓国映画で見せられるとごく近い過去の軍事政権時代の記憶とつながる感じになる)のと、告白を元に告発して社会的責任をとらせるといった「続き」がなくてあくまで閉塞したままということが大きい。
映画そのものの展開もあまりキム・ギドクらしい飛躍や驚きが乏しい感じなのは残念。

アメリカに留学して英語をごく流暢に操るが兄夫婦に養ってもらっていて日本でいうニート状態でいる青年など、これは憤懣も溜まるわと思わせる。もっとも日本だってそういう鬱憤は十分たまっているはずなのだが、もっと病的な噴出の仕方をしている。
(☆☆☆★)

殺されたミンジュ 公式ホームページ

映画『殺されたミンジュ』 - シネマトゥデイ

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12月1日(木)のつぶやき

2016年12月02日 | Weblog