犯罪を行っても揉み消せるような社会の上層部でうまくやっている連中を拉致し、うっぷんを晴らしているということなのだが、見ていて「必殺!」みたいにはおよそすっきりはしない。
拷問そのものがやたらと生々しい(韓国映画で見せられるとごく近い過去の軍事政権時代の記憶とつながる感じになる)のと、告白を元に告発して社会的責任をとらせるといった「続き」がなくてあくまで閉塞したままということが大きい。
映画そのものの展開もあまりキム・ギドクらしい飛躍や驚きが乏しい感じなのは残念。
アメリカに留学して英語をごく流暢に操るが兄夫婦に養ってもらっていて日本でいうニート状態でいる青年など、これは憤懣も溜まるわと思わせる。もっとも日本だってそういう鬱憤は十分たまっているはずなのだが、もっと病的な噴出の仕方をしている。
(☆☆☆★)
殺されたミンジュ 公式ホームページ
映画『殺されたミンジュ』 - シネマトゥデイ
殺されたミンジュ|映画情報のぴあ映画生活
本ホームページ