prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「神なるオオカミ」

2017年02月08日 | 映画
ジャン=ジャック・アノー監督というと、以前「セブン・イヤーズ・イン・チベット」で子供の頃のダライ・ラマに会った西洋人を描いて中国当局と対立した過去があるが、それが中国=フランス合作で文化大革命当時の内モンゴルに下放された青年の話を描くのだから、まあフシギみたいな話。

フランスの監督なのだけれど、コートジボワールを舞台にしたデビュー作「ブラック・アンド・ホワイト・イン・カラー」以来フランス国内を舞台にした映画はまったくない。
「人類創成」「薔薇の名前」のような学問的な作品とか、あまり国境とは関係ないモチーフを選ぶ癖があるみたい。

一方で「子熊物語」「トゥー・ブラザーズ」といった動物ものを取り上げてきた経験を生かしてか、狼というおよそ人間に慣れない(そこが犬と違う)動物を唖然とするくらい見事に動かして見せる。
たたずまいの威厳、群れになって馬の群れを追うシーンの迫力、子供の頃のかわいらしさなどいちいち目が離せない。ラストカットの狼の形をした雲っていうのはいただけないが。メイキングも見もの。オオカミが生まれた時から一緒にいて慣らしているのだから大変な手間と費用だ。

製作費は3800万ドル(ハリウッド大作に比べれば少ない、「沈黙」で4000万ドル)、全世界の興収は1億2578万4988ドル、そのうち中国が1億1046万ドル。アメリカでは210,591ドルと数字になっていない。日本はミニシアター公開。中国を舞台にしているのが敬遠されたのだろうが、ますますガラパゴス化が進みそうな話。
(☆☆☆★★)





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