七つの悪徳にも「怒り」は入っていたし、実際、この映画の主人公は怒りを抑えられないことでせっかく掴んだチャンピオンの座、財産、そして妻と娘と、いったんすべてを失う。
そこからどう恢復していくかというドラマなわけだが、ジムのトイレ掃除、それも根性を試すのではなく本当に手が足りなくてやらなくてはいけないという本当に最低な状況からやり直すのがシビア。ただそんなものやってられるかとなっていたのが考えを変えて戻ってくるところの描き方がちょっと物足りない。
クライマックスで微妙に距離を残したままの娘がリングサイドにいないでテレビで観戦しているというのがいい。「ロッキー」ではないので勝って抱き合ったりするわけにいかない。
もうアメリカ映画でボクシングシーンで役者が身体を作り込んであったりするのは当たり前なのだが、やはり見応えあり。殴られて顔がゆがんだりするのはCGらしいが。
アントワン・フークワ監督の次作「マグニフィセント・セブン」と同様急逝した作曲家ジェームス・ホーナーに対する献辞がエンドタイトルが出てくる。
(☆☆☆★★)
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