バティものというのはアメリカ産のような気もしていたが、もちろんそんなことはなくて十分どこの国でも通用する形式だが、国が変わると何より出演者がもっぱらイギリスかフランスかの出身のせいもあって、ハードなアクションがふんだんに盛り込まれても、アメリカ産とちょっとづつテイストが変わる。
テロが起きて以来世情騒然としているパリを舞台にして、屋上の追っかけでおなじみの形の屋根を生かしたり、クライマックスにちょっとバスチーユ陥落のイメージを重ねたりしているのも細かい。観光地を外したフランスロケの効果が大きく、エリートとそれ以外との溝が自然に描けている。
テロを背景にしながら深入りしすぎて複雑にならないように「ダイ・ハード」一作目の線にとどめているのも巧妙。
イドリス・エルバの無骨なタフガイぶり、リチャード・マッデンのフットワークの軽さのバランスがよく、ヒロインのシャルロット・ルボンがかわいい。
(☆☆☆★★)
映画『フレンチ・ラン』 - シネマトゥデイ
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