ふつうに子供たちが田舎で夏休みを過ごす描写が続いていたら、小さな幼児用の木の椅子が出てきて、これがひとりでに歩きだしたのは驚いた。
ファンタスティックな展開もだが、その動き自体が操り人形風に素朴で種を明かすとすごく単純なトリックなのかもしれないが表面上は粗が見えず、それでいてちょっとギクシャクしていて良く出来過ぎていないのが、ちょっと大林宣彦がわざと自主映画っぽい手触りを残したりするのに結果として似たような不思議な感覚を出している。
タイトルバックにいわさきちひろの画を作っているのと合っている。他のいくつかの特撮シーンも同様。
後半、なんと話が原爆の方にシフトしていくのも意外のようで、こういう描き方もあるのかと思わせる。
子供に見せるための方便というだけでなく、原爆は悲惨すぎてリアリズムでは迫り切れないところがある。
監督・脚本 松山善三。主演の(本当の主役は子供たちだが)倍賞千恵子が当時35歳。「幸福の黄色いハンカチ」の前の年の1976年製作。リアルな一方で古い洋館におとぎ話風のテイストを盛り込んだ美術は村木忍。
ふたりのイーダ (講談社青い鳥文庫 6-6) | |
クリエーター情報なし | |
講談社 |