前半と後半分裂気味で、アキバ・ゴールドマンなんて一流クラスが三人のうち一人としてシナリオ担当にクレジットされているのだが、シナリオのリライト段階で齟齬が生じているのではないか。
死ぬ運命にある人間に出た痣が点字になっているというアイデアは一応おもしろいのだけれど、その点字がどういう意味なのか見ていて気になって仕方なくて普通謎解きの途中で知らせないものかな、と思った。
「ヘルハウス」ばりに呪いに科学的方法で立ち向かう学者なんて出てくる趣向はいいのだけれど、この学者も呪いのビデオを見ているはずでなんで死なないのだろうと思っているとやはり死ぬのだが(だけど七日以上経っているのではないか)、これが「ファイナル・デスティネーション」シリーズをしょぼくしたみたいな死に方でサマラの呪いなのかどうなのか判然としないし、見せ場としてもぱっとしない。
全般にホラー・シーンのパンチの利かせ方が弱い。
ヒロインが恋人が見た呪いのビデオのコピーを見たことで自分が犠牲になって恋人を救う立場に置かれるという設定もうまく生かせばドラマとして盛り上がるはずが尻切れトンボになってしまうし、とにかくよさげなアイデアや設定はあるのにうまく展開しない。
原題はrings。
考えてみると初めの頃はVHSでコピーして他人に渡すというのが人間の手を介した行為として映像として見せられたわけだけれど、コピーガードつきDVDを通り越してYouTubeも普及した現在では仮に呪いのビデオなんてあったらあっという間に世界中に広まっているだろうなと思わせる。
(☆☆★★★)
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