prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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「戦闘機対戦車」

2018年02月11日 | 映画
73分とおそろしくコンパクトな上映時間、タイトルそのまんまに戦闘機一機と戦車一台が砂漠で戦うというシンプル極まるお話からして「激突!」みたいにテレビ映画ではないかとIMDbで調べてみたら(原題はDeath Race)、案の定。

ただしIMDbの記述では90分になっている。日本語吹き替えも選べるのだが、部分的に吹き替えがなくて字幕だけになる。NET(今のテレビ朝日)で放映された時の吹き替え版の音声を収録したけれどカットしたところまでは補えなかったということかもしれないが、ただでさえ短いのよりもっと短くしたということか?

「激突!」は1971年で、これは1973年だが、特に影響がどうこうというのではなく、当時のテレビ映画は金のかかったスペクタクルではなくてシンプルなワン・アイデアで勝負することが多かったということだろう。
見たことはないが、船が台風の眼に入ったまま移動して難を逃れ続けるなんていうのがあったらしいし、「新幹線大爆破」「スピード」の元祖みたいな「夜空の大空港」(高度が一万フィート以下になると爆発する爆弾が飛行機に仕掛けられる)なんていうのもあった。

この場合、飛行機が飛べなくなって地面を走るだけで戦車に追われるというのがちょっとユーモラスでもあるし、ちょっと飛ぶところが効くことになる。
ドン・シーゲル監督の「突破口!」のクライマックスみたいだが、なんと同じ1973年製作。こちらが本国アメリカでは6月公開、「戦闘機対戦車」の放映が11月。パクったのだとしたら、むしろ大した早業だと感心すべきだろう。

アメリカ側のロイ・シネスはやはりテレビの「インベーダー」で有名な人で、監督のデヴィッド・ローウェル・リッチもほぼテレビで仕事していて劇場用映画は「エアポート80 コンコルド」くらい。スピルバーグみたいな冴えはないが、シンプルさに徹していて脱線しないからつまらなくなりようがない。

ロイド・ブリッジスが珍しくエキセントリックなドイツ士官を演じていて、ドイツ軍でもまともな神経の持ち主のドイツ兵との間のドラマはちょっと「ケイン号の叛乱」の戦車版みたいな感じもある。
ドイツ側部下をやっているエリック・ブリーデンという人は本物のドイツ生まれ。「タイタニック」にも出ていたらしい。
(☆☆☆★★)


2月10日(土)のつぶやき

2018年02月11日 | Weblog