それが最も完成した形で結実したのがこの作品ということになるだろう。
とにかく撮影・美術・衣装の美的完成度は圧倒的でスローモーションを挟みながら流麗な流れを崩さず簡潔なスケッチを重ねナレーションであらかじめ決められたことのように人生を綴っていくスタイルは、キューブリックの「バリー・リンドン」を思わせたりした。
大きく違うのは主人公が女性であり、夫や子供たちの一部を先に亡くしながら次第に大勢になっていく家族の背景に退いていくという構造になっていて、人生の初めや終わりといった句読点をそれほどはっきり打たず、幸福な場面も不幸な場面も区別しないでひたすら美しいというあまり例のない作り方。
それだけ淡々としているわけでもあって、やや眠くなるが。
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