主演のオリヴィア・コールマンがアカデミー主演女優賞をこれで受賞したわけで、アカデミー賞女優が三人揃い踏みした図。受賞済とはいえ今年は賞を逸した他の二人の心情はいかにと余計なことを考えたくなる。
女王の寵愛の奪い合いがつまり権力闘争になる図で、男たちがほぼ締め出されていて誰がお世継ぎを産むかといったドロドロはないのが宮廷ものとしては割と珍しく今の映画という感じ。
代わりに「純粋」な権力欲と嫉妬と復讐心では性別で変わりはない。
ただ人間関係にせよ画としてももっとグロテスクになりそうなのを良くも悪くも美意識先行で踏みとどまっている感じはこの監督の「ロブスター」「聖なる鹿殺し」にも共通している。
ウサギがやたらちょろちょろしているのだが、ウサギは人間同様に特定の発情期がない(つまり年がら年中発情している)動物で、だから雑誌「プレイボーイ」のシンボルやバニーガールにもなったわけだが、男どもの発情とその結果は動物なみという表現なのかもしれない。
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