prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「熱帯魚」

2020年09月19日 | 映画
高校受験を控えているにも関わらず成績の上がらない中学生が、誘拐された小学生を助けようとして自分もつかまってしまう。

ところが深刻な犯罪劇になってもおかしくないのが、誘拐犯が受験を控えているのに悪かったと妹が使っていた参考書や問題集の類を持ってくるという展開になるのだから笑ってしまう。

人形劇風の幻想シーンを入れたり、タイトル通り熱帯魚の原色を生かしたりと、なんともふんわりとした語り口なのが独創的にしてユーモラス。

その裏には台湾の受験競争が熾烈なもので、子供たちに大変なプレッシャーになっているという現実もあるわけだが、映画とすると子供たちの変わった夏休みの日記といった趣がある。