prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「宇宙でいちばんあかるい屋根」

2020年09月23日 | 映画
タイトルになっている屋根というか屋上の造形がいい(美術・部谷京子)。
夜空が明るすぎるから作ったものだろうが、普段見えないところだから無造作な形をそのまんま剥き出しにしている感じとファンタジックなニュアンスの両方が出ている。

ここに唐突に出没して、屋根を見れば住んでいる人がわかるとのたまう星ばあという一見人間離れした感じのキャラクターをやっているのが桃井かおりなのがどんぴしゃりで、昔やっていたフーテン(死語)みたいな感じを再現し、しかもだんだん人間界に降りてくる感じを出した。
ヒロイン(清原果耶)に振られて意地悪しているかのように見えた同級生の男の子と絡んだ着地が感動的。

吉岡秀隆がお父さん役というのは意外と珍しいのではないか。
清原果耶、映像ともに透明感があって綺麗。

偶然にせよ、書道教室が少女にとっての一種の隠れ家的な役割を果たすのは現在も上映中の韓国映画「はちどり」と共通している。
小さな世界を描きながら大きな世界につながるところも(その世界観はまるで違うが)。