あれと思ったのは、ロッド・スタイガーの軍曹が左利きなこと。冒頭その他のライフルも中盤の射撃場のピストルも左手で扱っている。
銃は基本的に右利き用に作られているはずで、スタイガー自身が左利きなのかどうかわからないが、役のマイノリティーとしての一面を出しているのではないか。
軍曹が冒頭の若い敵兵を射殺しようとするところで引き金を引くが弾が出ないのは、(女性に対する)性的不能の象徴とも見える。
同性愛の話には違いないが、戦争という極度にマッチョな環境でのイノセンスの喪失とその結果としての錯乱というアメリカ文学的な要素もあるように思う。