オープニング・ショットからして、どうやって撮ったのだろうと思わせた。
歩いていく男を追っていくカメラが揺れているのでありがちな手持ちカメラかと思うと、男の身体の揺れとカメラの揺れが完全にシンクロしている。
身体に取り付けて撮ったみたいなのだが、どういう具合に取り付けたのかよくわからない。
その他、通常の発想から大きく隔たったカメラ位置が全編にわたって随所に見られて、シリアル・キラーの理解不能な感覚にシンクロさせようとしているみたい。
描写そのものは特にどぎつくないのだが、自然に狂ってしまったみたいな不安にさせるところがある。
主演のアーウィン・レダーがどこかで見たような顔だと思ったら、「Uボート」の“幽霊”のヨハンをやっていた人。オーストリア人で「シンドラーのリスト」や「アンダーワールド」などの英語圏の作品にも出ているらしい。