prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ナイトメア・アリー」

2022年04月03日 | 映画
ギレルモ⋅デル⋅トロ監督とはいっても今回はファンタジーの要素は薄いが、絵柄は共通している。
カーニバルの場面はもちろんだが、中盤のリッチな生活でも独特のデフォルメが入って裏にダークな要素が張り付いている。

ケイト⋅ブランシェットの精神科医が含めて患者をイリュージョンを操って騙すあたり、道具立てはリッチで精錬されていても見せ物小屋の千里眼と一緒というアイロニー。
大金持ちでも幸福とは縁遠い。
豪華なキャストも、むしろアイロニカルな意味合いで使われているみたい。

カーニバルに始まりカーニバルに終わる、そこに見せ物になっている胎児が置かれることで、生そのものが生まれた時からダークな面が張り付いているとでもいった世界観が窺われる。