タイトルがタイトルだから(原題もLady Macbeth)シェイクスピアの「マクベス」のマクベス夫人の若いころの話だと思って見ていたら(「カッコーの巣の上で」の看護師長マチェットの若いころを独立したドラマにして「マチェット」みたいな)、今まで夫がマクベスだと思っていたキャラクターがアレクサンダーという名前からして違うらしいと気づいて当惑した。
マクベスというのは一種の象徴的な意味で使われているので、マクベスの前日談というわけではないとやっと気づいた。紛らわしい。
横暴な夫と義父に差別され卑しめられ、肌の浅黒い使用人と密通するようになり、ついには人を死に追いやることになる。
もとのマクベスの上演もマクベス夫人を悪女⋅毒婦として描くのが減ってもう少し誰にでもありそうなこととして描くのが増えているせいもあって、これとマクベスくっつけるのはやや不自然に思った。
19世紀くらいのクラシックなイギリス風のお屋敷を舞台にして、使用人も黒人が目立つのが目新しい。
フローレンス⋅ピューの初主演作だというが、すでに堂々たる貫禄。