ウーバーで実際に働いた人が監督。ジャーナリストが現場に潜入して実際に働いて取材と生計を立てるのを両立させる(古典的な例では鎌田慧の「自動車絶望工場」)のに近いが、その生計を立てるのが本当に大変。まともな「仕事」ともいえない。
実働時間と報酬がいちいち字幕で出るのが生々しい。
当然のように実働時間がゼロなら報酬もゼロなのだが、ゼロというのが本当に恐ろしい。
実働十四時間なんてのが平気で出てくる。
しかし本当に映像=映画はどんな境遇の人でも発信できるツールになった。
主題歌が祭でよく使う「月がー出た出た、月が出た」の替え歌なのがやけっぱちみたいと思ったが、考えてみると「炭坑節」自体過酷な労働と労働争議と馘首で有名(去るも地獄、残るも地獄、と言われた)な三池炭鉱の歌ですからね、つながっているわけ。
コロナ禍の狭い部屋でフィットネスやっているのが悪いのだけれど笑ってしまう。
緊急事態宣言下の人が本当にいなくなった新宿の街が見られる。
今だと良くも悪くも人出が戻ってしまっているので、貴重な映像。
政府の発する「新しい日常」とかいったコトバがいちいち何をぬかしているのかいった神経にさわる。
おばあさんが唐突に出てきて空襲で焼け野原になった東京を語るのに合わせて「2020年の東京も焼け野原だ」と字幕に出るが、2022年も焼け跡は一向に復興してない。