prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「余命10年」

2022年04月18日 | 映画
生きている人間の側から余命短い人間を見ているだけでなく、生きているけれど命を大事にしない、生の実感のない青年と対比と思わせない配置で平行して描いているのが、死病で泣かせる映画の臭みを感じさせないスマートな処理。

冒頭から繰り返される桜吹雪の超スローモーションの映像が、はかなく散るかのような命を果てしなく引き延ばし体感するのをそのまま画にしている。