「アネット」の音楽を担当したスパークス·ブラザーズ、というより、「Tommy トミー」がザ⋅フーの特にピート⋅タウンゼント作による劇音楽が先にあったように、スパークス·ブラザーズの音楽が先にあってそれを映画化したというのが正確らしい。
40年以上のキャリアにわたるおそらく膨大な映像を手際よく変遷ぶりがよくわかるように、しかも音楽的に編集している。
ちょび髭を生やして不愛想でいる弟のロンはキートンとチャップリンを足して二で割ったみたい。
なんともいえずユーモラスでリラックスした雰囲気だが、内実がのんきなものではないのは、普段から無駄遣いせず経済的に苦しい時期を乗り切ったあたりも描かれる。
原作・工藤かずや、作画・池上遼一による日本の漫画「舞 Mai」のティム・バートンによる映画化にたずさわる予定だったのが流れてしまい、すごくがっかりしたという。劇音楽志向というのはかなり前からあったと思しい。
池上遼一の画がスクリーンに拡大されて見られる。