1964年作。内容はまったく関係ないが「灰とダイヤモンド」の日本公開が1959年。
ダイヤモンドを狙う強盗団が二組あって、実際に強奪した佐藤允たちと、横取りされた砂塚秀雄・藤木悠たちとの争いに加えて、保険会社から情報を得た探偵宝田明、負傷した佐藤の手当のために拉致された医者の志村喬、夏木陽介などの警察などさまざまなキャラクターが入り乱れる。
脚本は小川英と間藤守之、監督は福田純。
冒頭の強奪シーンから、最近はあまり使われないカメラを斜めに傾けて撮ったショット(オランダ=ダッチの国土が埋め立てで真っ平なのを逆さにしてダッチ・ショットと言うらしい)が多用されたり、個々のカットのアングル、繋ぎ方がいちいち凝っている。
白黒映像のシャープさ、ワイド画面で空白を大きくいれた画面構成(撮影・宇野晋作)、ジャズギタリストの澤田駿吾の音楽など、精一杯クールな調子で処理しようとしているが、やはり日本製らしいウェットさが必ずしも悪い意味でなくちょいちょい顔を覗かせる。
大半のシーンで汗まみれで悶絶する大熱演の佐藤允と半身で関わる宝田明の奇妙な友情がかった関係が典型。