中学生の不登校の丁寧な描写から始まるので、予告編で見たファンタジー風の展開とどう繋がるのかと思うと、非現実の世界に行きっぱなしではなく現実と行き来する、現実逃避ならぬ一時退避のリハビリ物語。
舞台になる城が 微妙にのっぺりとして 作り物臭い のだが あとになって理由があることが分かる。
いかにもなスペクタキュラーな画で見せるところはあまりないのだが、きめの細かいキャラクターの演技が見事で、繊細一方かと思うといじめっ子達が家に押しかけてくるところで集団が窓の外でシルエットの塊で 見えるあたりの不気味さと怖さの表現も巧い。
最近だとリアルな日本人キャラクターで目の色がカラフルでも不自然に感じなくなった。馴れというか、浜辺美波など実在のタレントでもカラーコンタクトを特に理由がなくても使っていたりして、現実が芸術を模倣しているというか。
話の仕掛けになるほどねと思うのと、いくらなんでもありうるのかというのと両方。