ショーン⋅ペン としては 初の主演を兼ねた監督作であり、実の娘のディラン・ペンと役の上での父娘の共演作。
娘のナレーションで運んでいくスタイルや、家が燃えるところを丁寧に撮っていること、そして足を地につけないまま「成功」を夢見過ぎて犯罪に踏み込む父を麦畑などの自然の詩的な風景を交えて描くところなど、随所にテレンス・マリックの、特に初期作ばり。
タイトルにあるように父は星条旗にこだわっていて、アメリカという国が「成功」志向の上に成り立っていて、だから同時に失敗した者の死屍累々の上に成り立っているものでもあるものが見て取れる。
父ショーンは若い時は問題児だったもので、自分の姿を重ねているのは見て取れるけれど、実際の娘から見たらどうだったのか聞いてみたい。
ウソばかりついている父で、いもしない電話相手に向って芝居を続けているのを娘に見透かされるあたり、自己言及的。
それに対して、娘が父に関するところでウソをついたことで大学に入学をいったん拒否され、ホントのことを伝えなくてはいけないジャーナリストになるというのが面白い。