1961年作。
水兵が恋仲になる遊園地で人魚の見せ物になっている美女が実は本当に人魚なのではないかといったニューロティックな妄想絡みの半幻想譚。
人魚のあからさまに作り物のコスチュームをつけているだけで今みたいに特殊効果でリアルに見せるわけではない。
もっぱら暗示的な描き方で通しているのがオリジナルの「キャット⋅ピープル」風ということになるか。
ただ撮影はそれほど凝っておらず美的には平均的。
遊園地の、特にメリーゴーランドのあたりや音楽の演奏シーンを丁寧に撮って雰囲気を出している。
デニス⋅ホッパーは1936年生まれだからこの時25歳ということになる。
後年の彼だったらあからさまに男を頭のおかしい設定にして妄想色を強くした描き方になったろうけれど、この時はいかにも若くて純情な感じ。
小柄で女優さん(リンダ⋅ローソン)とあまり背丈が変わらないのがわかる。