なんか作りがずいぶん雑に思えた。
監督の分身と思える主人公の少年は母親が作ったお弁当を持って学校に行かないで 映画館に入り浸ってるわけだけれども、よくバレないものだと思う。いくらインドでも(というと何だが)学校から連絡行かないのだろうか。
監督の分身と思える主人公の少年は母親が作ったお弁当を持って学校に行かないで 映画館に入り浸ってるわけだけれども、よくバレないものだと思う。いくらインドでも(というと何だが)学校から連絡行かないのだろうか。
お弁当を映写技師にあげてしまうのだから(技師も職があるのだから食べるものに困っているとも思えないが)、さぞお腹空くだろうと思うが、そのあたりのフォローもなし。
母親が作る弁当のインド料理のアップは美味しそうに撮れてたけれど。
母親が作る弁当のインド料理のアップは美味しそうに撮れてたけれど。
何より文字通りの映画泥棒、フィルム盗難を堂々とやっちゃっていいんだろうかと思う。 警察に捕まってしまうんだけど、れっきとした犯罪ですからね、当然といえば当然。他の観客にとっても迷惑きわまりないし、フィルムを埃だらけの環境で素手でいじくりまわすというのも、見ていて引いてしまった。
ものすごく汚い映画館が舞台なので相当に昔の、「ニューシネマパラダイス」くらいの時代みたいな気になっていたら、ラスト近くでフィルム上映が廃止になってデジタル上映になるのだから21世紀に入ってかららしいが、どうもよくわからない。
映画館に入り浸っているばかりでなく自然観察もしているらしく、そのあたり光の研究をしてみたいと終盤言い出すのと一応つながるのだが、そうなると上映されている映画の内容関係なくない?
上映されている映画は馴染みのないインド映画(というのは本当はなくて、州によって言葉も違うのだが)ばかりだが、スペクタクルの割に画面がスタンダードサイズオンリーおというのは映画館の設備の問題か。
原題のLast Film Showというのは、明らかにラリー・マクマーリー原作、ピーター・ボクダノヴィッチ監督の「ラスト・ショー」The Last Picture Showのもじり。
映写機が溶鉱炉で熔かされてスプーンになり、フィルムがやはり化学物質で溶かされてプラスチックの腕輪などになる。そういう再利用を丹念に撮ったのは初めて見た。
ラスト近く、トロッコで走る人物を横からのアップで背景とピン送りしながら撮っているカットなど、背景の廃墟やシンセサイザー音楽ともどもまるっきりタルコフスキー(冒頭で捧げられた五人の監督のうちの一人)の「ストーカー」の「ゾーン」に入っていく時の撮り方。