今は昔、もう○十年も前のことである。当時の私は、原付バイクで通学していた。ある夜、バイクに乗って大学の研究室からアパートへの帰り道の出来ごとだった。
当然安全運転で、制限速度(もちろん時速30km)は守って走っていたのだが、後ろから無灯火で来ていた車が、急にライトをつけて私の前に回りこんで、私の原付の前を塞ぐのである。見るとなんと、それは某府警のパトカーであった。
おまわりさんが2人降りてきて、
「そこの踏み切りのところで一旦停止したか?」
などと、一般市民に向かって、ものすごく高圧的に質問してくる。
一旦停止も何も、違う道を通ってきたので、彼らの言う「踏み切り」なんか渡ってはいない。他に、走っているバイクもなかったので、見間違える訳もなく、完全な言いがかりである。おそらく、夜中に、一人バイクで走っていたので、「何か出てくればラッキー!」位の感覚で、いわゆる職務質問をしてきたのだと思う。
「無灯火で近づいてくるなんて、お前らの方が、法律違反やんけ!」
態度が大きいのと、訳の分からない言いがかりにムッときた私は、
「その前に警察手帳を見せろ!」
と言ってやった。当時読んだ本に、警察官は、職務執行の際に、求められれば、警察手帳を提示しなけらばならないと書いてあったのだ。
若いのと年配のとのコンビであったが、若い方が特に態度が悪い。
「この格好を見ても分からんのか?」
などとすごんでくる。そりゃ、制服だって、パトカーだって盗む悪い奴はいるから、格好だけでは信用できんわな。それに、こちらは、言いがかりをつけられているわけだから、警察官だという一般的なことより、何と言う名前の人物なのかということを、何かあったときののために知りたい訳である。
別に、こちらに何もやましいところはない。
「新聞社に投書でもしてやろうかい!」
なんて考えながら、しばらくの間しょーもないやり取りを続けた後、年配の方の合図で、若いのが警察手帳を横柄に突き出して、
「これでいいか!」
と捨て台詞を残して去って行ったのである。
今は昔、もう○十年も前の、私が大分元気が良かったころの物語である。私の友人にも、警察官になったやつが何人かおり、親戚にも警察官だった者もいる。こんなことをやっていれば、市民からの信頼は得られないだろう。今はこんなことはないと信じたいが・・・
[参考]
○そのときのおまわりさんは、警察手帳の提示義務はないと言い張っていたが、ちゃんと以下のように定められている。一般市民に、何かを尋ねるときは、たとえ規則がなくても、最低限自分の身分を示すのが社会人として最低のマナーだと思うのだが。
警察手帳規則
(昭和二十九年七月一日国家公安委員会規則第四号)
(証票及び記章の呈示)
第五条 職務の執行に当たり、警察官、皇宮護衛官又は交通巡視員であることを示す必要があるときは、証票及び記章を呈示しなければならない。
※ 本記事は2006年04月16日付で「時空の流離人」に掲載したものに加筆修正を加えたものです。
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