最近よくチェックしているブログの一つ「池田信夫 blog」に「精神なきウェーバー専門人」という記事が掲載されていた。朝日新聞掲載の、姜尚中氏のマックス・ウェーバーの言葉を借りた市場原理主義批判に対しての批判が記されたものだ。
正直、マックス・ウェーバーについては、名前しか知らないし、特に興味もないのだが、一つ気になることが書いてあった。
池田氏は、「途上国に多額の援助をする一方で「知的財産権」の保護と称して中国を訴える先進国の偽善も救いがたい。」と書いているが、知的財産の侵害を訴えることがなぜ偽善になるのだろう。はたして、知的財産というものについて、彼は本当に理解しているのだろうか。更に「植民地支配によって彼らから奪った富や生命に比べれば、わずかなものだ。」の発言にはあきれてしまう。これは、相手が悪いことをしたことを理由に、自分が悪いことをしたことを正当化する詭弁の例として、論理学の初歩の教科書にも書いてあるようなことである。
知的財産の対象の一つである「特許」については、一般に莫大な開発費が必要である。これを保護しなくなれば、誰が開発費の負担というリスクを冒そうというのだろう。周知のように特許権には保護期間が定まっている。そして、発明した企業が、ある程度の利益を得た後は、その技術は人類共通の財産となるのである。
それに、中国で問題となっているのは、商標権、意匠権を侵害するコピー商品ではないだろうか。これは、粗悪な類似品により、長年培ってきた企業の信用を傷つけられるという面も大きく、信用を守るために訴訟を起こすというのは、当然のことであると思うのだが。
●該当の記事
池田信夫『精神なきウェーバー専門人』
正直、マックス・ウェーバーについては、名前しか知らないし、特に興味もないのだが、一つ気になることが書いてあった。
池田氏は、「途上国に多額の援助をする一方で「知的財産権」の保護と称して中国を訴える先進国の偽善も救いがたい。」と書いているが、知的財産の侵害を訴えることがなぜ偽善になるのだろう。はたして、知的財産というものについて、彼は本当に理解しているのだろうか。更に「植民地支配によって彼らから奪った富や生命に比べれば、わずかなものだ。」の発言にはあきれてしまう。これは、相手が悪いことをしたことを理由に、自分が悪いことをしたことを正当化する詭弁の例として、論理学の初歩の教科書にも書いてあるようなことである。
知的財産の対象の一つである「特許」については、一般に莫大な開発費が必要である。これを保護しなくなれば、誰が開発費の負担というリスクを冒そうというのだろう。周知のように特許権には保護期間が定まっている。そして、発明した企業が、ある程度の利益を得た後は、その技術は人類共通の財産となるのである。
それに、中国で問題となっているのは、商標権、意匠権を侵害するコピー商品ではないだろうか。これは、粗悪な類似品により、長年培ってきた企業の信用を傷つけられるという面も大きく、信用を守るために訴訟を起こすというのは、当然のことであると思うのだが。
●該当の記事
池田信夫『精神なきウェーバー専門人』