文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

わたし、探偵になっちゃいました

2021-05-10 16:37:48 | 書評:小説(その他)

 

 


 本書は著者が探偵業に登録するまでを書いたものだ。実話のような作り話と銘打っているので、どこまでフィクションが盛り込んであるかは分からない。著者は、捕鳥、警備員を経て探偵業に登録しているが、本書はそのいきさつを記したものだ。

 ユーモラスなんだが、ノリと勢いで書かれた文章のような感じを受ける。何かギャグがスベッっている観がするのだ。

 著者は、「北斗の拳 イチゴ味」(以下イチゴ味と呼ぶ)のファンのようで、登場人物は北斗の拳のキャラの名前で呼ばれる。この登場人物のニックネームの出所がイチゴ味と書かれているが、イチゴ味は、北斗の拳のパロディ的なスピンオフ作品である。イチゴ味独自の登場人物という訳ではないので、イチゴ味に出てくるキャラというより、北斗の拳に出てくるキャラクターとした方が適切だと思う。

 もう一つ気になるのは少年時代に行ったという置石や放火のことが取りようによっては自慢げに書かれていること。

<アパートの屋上から物置小屋の屋根に飛び降りて、屋根に穴をあけたり、社宅の庭に生えている木に火をつけてぼや騒ぎを起こして、・・・(中略)・・・線路に石を置いて・・・(以下略)。>(pp10-11)


そして、その前にある言葉が元気が良すぎる子供ではあった。(p10)だ。 これは完全に元気が良いを越えているだろう。いくら子供の頃と言ってもかなりの重罪だ。特に置石は、それが原因で列車が脱線して死者が出れば大人なら死刑になってもおかしくないくらい罪が重い。子供だってそれなりの罰があるし、親は莫大な賠償金を支払わなくてはならない。もし少しでも反省の気持ちがあるのなら、絶対にこんなことはしてはいけないと書くべきだろう。自分が子供のころはこんなこともやったんだぜというノリで書いたのなら何をか言わんやである。

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

コメント (2)
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