本書の内容は、みのり市に住んでいる地域活性研究部の5人の女子高生が、地域活性化についていろいろと話し合うというものである。
本書での主張は「中心市街地活性化」と「コンパクトシティ」はよくごっちゃにされるが、まったくの別物だということだ。
コンパクトシティの重要な要件のひとつとして、「公共交通機関」があげられる。これは定義のひとつに「徒歩移動のしやすさ」というものがあるかららしい。しかし、地方ではどこもマイカーありきで郊外の山林を切り開いて住宅地を作っている。だから、公共交通機関は貧弱になるし、料金も高くなる。それに加えて人口減である。地方には、この条件があてはまるところは少ないのである。
一方、中心市街地では、比較的公共交通機関が充実している。しかし、マイカーの駐車場がないので、商店街はシャッター通りとなって寂れている。住民は便利の良い駐車場付きの郊外店で買い物をしているのだ。
この巻末に番外編として、数年後の登場人物の様子が描かれている。3人までの動向は分かるので、出てくるのは残りの二人だろうが、パッと見ても誰かよく分からない。セリフに「髪を伸ばして」とかアホ毛があったりするところで大体検討がつくが、女子は高校を卒業すると急にキレイになる子がいるということか。
この中に、都会から帰省してきた子が、「故郷ってのはさーいつまでも変わらず昔のままであってほしいものなのよ」という発言に、地元にずっといる子が「・・・じゃあ私らはあんたらのノスタルジーのためだけにさ・・・不便に慎ましくずーっと田舎っぽさ醸して暮らしてろってワケ?」と反論している。これはなかなか難しい問題だろう。一つ言えるのは、誰かの意見に乗るのではなく、自分の頭で考えるということだろう。
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