とにかく、土屋さんのエッセイは自虐的なのだ。その割には頭に残らない。どうして頭に残らないんだろうと常々思っていたのだが、本書を読んで疑問が解けた。なんと、土屋さんは、自分の文章を、「すぐ忘れるように書いてある。」とおっしゃる。「ウソだと思うなら、本書を買って確かめていただきたい。一言も覚えていないはずだ。それもそのはず、読んでも頭に残らない文章になるよう工夫を凝らしているのだ。」(p3)と断言している。私としては、その努力を他の方に向けたらとつい言いそうになるのだが、きっと土屋さんには深い考えがあるのだろう。(私の勘違いのような気もするが。)
土屋さんのエッセイによく登場するのは奥様である。いかにも鬼嫁という感じなのだが、ちょっと怖いもの見たさで一度見てみたいものである。それにしても、こんなことを書いて土屋さん奥様に怒られないのだろうか。
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