文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

半七捕物帳 46 十五夜御用心

2024-10-17 19:23:33 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 この話も他の話と同じく、半七老人が、目明し時代の思い出話を作家の「私」に聞かせるという形のものだ。今回話されるのは虚無僧の話。舞台は本所押上村にあった竜濤寺という荒れ果てた古寺。そこにある古井戸からなんと4人もの死体が見つかった。内訳は謎の虚無僧二人に、その寺の住職と納所。不思議なことにその死体には疵が無かった。

 我らが半七親分が解き明かすのは、事件の謎と4人の死因。そして4人の正体。ヒントは彼らの話に出てきた「諏訪神社」と言う名前。「諏訪大社」ではない。「諏訪神社」だ。ただし、通称は「〇〇大社」らしいのでちょっとややこしい。そしてその寺に関係すると思われる2人の女。

 もちろん半七親分は、その謎を解き明かして、事件を解決に導く。副題の「十五夜御用心」とは、犯人の一人が、細工された木魚に自分の甥を助けようと思って入れた注意を促す文から。もっとも、この文には誰も気がつかなかったようで、結局半七らによって発見され、事件にはあまり関係はなかったかな。そういった意味で、これを副題とするのはどうかと思う。
☆☆☆










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