雷雨、27度、97%
実家に帰ると、タイムスリプトしたような、そんな時間があります。タンスの片隅、本棚の端っこ。横7センチほどのこの小さな箱は、ビューローの引き出しに入っていました。鍵を探しているときに、ひょいと目に入りました。こんなしゃれた紙の箱なんて、香港ではお目にかかれません。蓋を取ると、何のことない豆電球が一つ。箱の内側には、京都のお菓子屋さんの名が書いてありました。きっと、干菓子が入っていた箱に違いありません。蓋を閉め、元に戻すとき何気なく箱の裏が見えました。
あらら、紛れもなく息子の字です。チョロキュウが、流行っていたのは、息子が小学の2年生頃から4年生頃のことです。チョロキュウの改造箱のようなものを携えて、香港にやってきました。チョロキュウはもう手元にありません。それでも、息子が改造に使っていた、小型のドライバーセットは我が家で健在です。
しかも、チョロキュウでなく、チュロキュウ。香港の日本人が多く住むタイクーシンのショッピングモールでは、チョロキュウのレースまでありました。この落書き20年は超しています。しかもよく見ると、箱の表の和紙のところにも、落書きがあります。
チュロキュウと書いた息子も、今日で33歳の誕生日を迎えます。おめでとう。