曇り、26度、79%、シグナル1
台所の片隅に小さい瓶があります。私の大事な物が入っています。
魚には、耳が見当たりません。でも、池の淵で手を叩くと、コイたちは集まってきます。それで不思議に思って、調べたのが、私が小学の5年のときでした。
魚には、人間の内耳に相当する耳の器官があります。頭蓋骨の中に左右にある耳石と呼ばれる、骨のような物です。
こちらは、タイの耳石です。流石に腐っても鯛と言われるだけあって、大きく固い耳石です。
こちらは、ほかの魚たちの耳石です。耳石は、頭蓋骨の中に固定されています。そして、年輪のように細かいひだがあり、毎年このひだが足されて行きます。
魚は、この耳石以外にも、体の両側に通った側線でも音を感じるのだそうです。
今手元にある耳石は、香港の魚の物ですが、耳石を集めだして、もう40年以上経ちました。
こうして、耳石のことなどを詳しく教えてくださった方がいます。内田恵太郎先生と言って、当時、九州大学の教授でした。岩波新書に「稚魚を求めて」などの著書があります。
夏休みの自由課題に、魚の耳石を採り上げた私は、一面識もない内田先生にお電話をしました。そして、お宅に伺ってお話お聞くことができたのです。
小学生の私にも解りやすく、魚の生態に付いて話してくださいました。もちろん、どうやって耳石を見つけるか、取り出し方まで教えて頂きました。
それ以来、頭付きの魚を買うとこうして耳石を集めています。それにしても、夏休みとはいえ、小学生ごときに時間を割いてくださった、内田先生に感謝しています。穏やかな話し方、おっとりとした面長のお顔と、緊張して飲めなかった大好きなカルピスを思い出します。