晴れ、14度、79%
ガラスのポッシェ、ガラスの帽子は、フードカバーにも使われます。チーズを入れて置く、ケーキを入れて置く。何に使ってもいいわけですが、フランスの園芸雑誌で、発芽促進にガラスのポッシェをかぶせているのを見ました。同じ雑誌では、フランスというお国柄、かたつむりからの被害を防ぐため、ガラスのポッシェをかぶせるとも書いてあります。食べるために大事なかたつむりです。
ウォードの箱と呼ばれる植物栽培用のガラスの箱があります。小さなガラス製のビニールハウスです。大航海時代には、東洋の珍しい植物が、船に乗って潮風で参ってしまわないように、このウォードの箱に入れられて長い旅をしたのです。想像力豊かにその頃のことを思います。
ウォードの箱は、ガラスを通してお日様の光をもらいます。真水さえ欠かさなければ、中は温室状態で、やや気温が高めです。我が家は、ほんとはチーズ用らしいガラスのポッシェを苔を養うために使っていました。香港で求めた苔は、オーストラリア産の杉苔です。ほんとに小さな杉のような形をしています。ぺたっと這いつくばるような苔と違い、やや高さのある苔です。きれいな緑に育っている杉苔の上に、テラリュームで育ちすぎた垣どうしをのせておきました。ほんの一時的なつもりだったのですが、いけません、垣どうしのあの繁殖力。名前の通り垣をくぐってでもどんどん増えて行きます。ランナーと呼ばれる蔦を出して、あっという間に苔の上を占領してしまいました。 皆さん見ると、この緑饅頭に驚かれます。きれいというより、毎日見ている私には、緑の動物にすら思えます。
ガラスの中に入れ放しですから、ズボラに水遣りもたまにです。垣どうしの力も強いのですが、いやいや、杉苔も負けてはいません。この状態で一夏を越しています。さて、このまま均衡を保つのやら、まだ、皆目私もこのガラスの中の生き物の行方がみえてきません。