雨、27度、88%
宗教上牛肉を食べないインドですが、乳製品の消費量はかなりのものらしく、インド独特のチーズもあります。インド独特なカッテージチーズという方が正確かもしれません。牛乳にレモン汁、もしくは酢を入れて凝固させ、家でも作ることが出来ますが、これをしっかり水抜きして固めるのは随分大変です。インドの雑貨屋さんに行けば、インド式弁当箱やターリーの食器に並んで、アルマイトで出来たこのチーズの水きり用の道具も売っています。
15年ほど前、初めてインドに旅した時、ニューデリーの古い町中でこのチーズ、パンニールを売っているのを見つけました。お店ではありません。パンニールだけが道端で売られていました。ガラスのポストのようなものに大きな氷が入っています。その上に、真っ白なパンニールがデンとのっていました。まだ、インドがこんなに発展する以前のことです。
ほうれん草のカレーを知ったのは、日本にいた時ですから随分前のことです。3年ほど前、雑誌「ミセス」にもそのいきさつを書いた記事を載せていただきました。ホルトハウス房子さんの記事から知ったほうれん草のカレーはお豆腐と作られていました。本場のインドではお豆腐でなくてパンニールというチーズと作られると知ったのはここ香港に来てからです。
くたくたのほうれん草にチーズの組み合わせ、もちろんクミンシードなどでしっかりとカレーの風味があります。食べると、その奥深い香りに魅せられてしまいます。ずっとほうれん草の緑色を大切にと思って作っていましたので、さっと茹でて、ミキサーにかけていました。でも、味に奥行きが出ません。そこで、思い切って炒めたホウレンソウをミキサーにかけてみました。炒める時、ギーは使わずオリーブオイルを使いました。お親しくしてくださっているニューデリーのベリーさん一家の台所にもギーはなく、オリーブオイルに代えられたとのことでした。見出し写真のように、少し濃いめのほうれん草とパンニールのカレーになりました。味にこくが出ましたが、どうもギーを使った方が美味しいように思います。
近年、香港でも、冷凍のパンニールがインドから入ってきます。パンニールは、袋の写真のように普通のカレーにも揚げ物としても使われます。もちろんお米もインドのバスマティライス。
インドでも特別な時に食べられるお米で、お値段も高めです。といっても、日本のお米ほどではありません。さっぱりとしたお米で、いくら食べてもお腹にもたれることがありません。手で食事をするインドの人、少し汁気のあるカレーと合わせないと、とても口元まで運ぶことが出来ないでしょう。
急に夏に突入した香港、インドのカレー、タイのカレーと私のお昼はカレー三昧です。