晴、29度、93%
ホウズキよりもずっと小さなフウセンカズラが実をつけました。友人から贈られて来た種を蒔いたのは5月に入ってからです。まるでパンダ豆のような大きめの種からは、優しい糸のような新芽が出ました。それを一本一本フェンスの横に植えました。細い蔓を伸ばして上へ上へ伸びてくれますように。
いつも買い物で通る家の葦簾には昨年の夏の終わりに沢山のフウセンカズラが実を結んでいました。緑の風船がやがて秋ともなると色づいて茶色になりました。そのお宅は雪が降ってもそのカズラの実を取らずにいました。寒風に茶色の風船が揺れます。緑から茶色に変わった風船も可愛げです。春もまだ早い頃、葦簾のフウセンカズラが見られなくなりました。
カズラの花は小さくて可憐です。 あっと気づくと緑の風船がついていました。背丈にしてまだ20センチほど、フェンスの足元で風船が風に揺れています。
30年ぶりの日本、この家の戻って来たときは冬の盛りの2月でした。庭には緑が一つもありませんでした。寒々として庭でした。3月も終わりになると芽吹きが始まりました。もうすぐ緑の庭にと思う矢先にモモさんが逝きました。寒い庭には友人たちから贈られて来た種や苗も植わっていました。緑の庭を見る前にモモさんは逝きました。今年は精を出して庭を作っています。「モモさん、見ていてくれますか?緑豊かな庭になりましたよ。」 花を飾るといつもクンクンんと匂いを嗅いでいたモモさんです。小さなフウセンカズラが揺れるのをじっとしゃがんで見ます。そして、モモさんを憶います。