晴、27度、76%
香港で一番長く暮らした住まいは、寝室からは香港島の大平山、居間からはビクトリア湾が眺めることができました。海が見れて山が見れる、香港的な表現では「山景」、「海景」と言います。今思えば贅沢な生活でした。福岡も海あり山ありの町です。そうは言っても海の見えるところには住んでいません。車で10分も走れば海辺に出ます。山は2階の窓からふた方向に見えています。
久しぶりに海の見えるところでお夕飯をいただきました。6時過ぎ、まだ夏の暑い日差しが残っていました。 日除けのブラインドが降りていましたが、案内してくれたお姉さんが「あと1時間もすればブラインドを上げて海を見ていただけます」とおっしゃいます。海を見ることにそんなに強く欲望があるわけではありませんが、心が広がっていくような思いがします。まだ明るいうちに運ばれて来た前菜、
日本に帰って以来アワビを食べていないなあと思っていると、
あわびの肝と黄色いニラの炒め物です。黄色いニラもすぐ手に入る食材ではありません。日が落ち始めて、空がいい色に染まり始めました。
香港でよく行ったレストランは30階、やはり沈む夕日を見ての夕食を幾度も重ねました。目の前には香港島が見えます。自宅のビルも見えてます。「あそこではモモさんが待ってるわ。」と思ったものです。日が沈む西のマカオに向けてのフェリーが行き来する活気のある海の景色でした。福岡の海、玄界灘は静かな夕日をたたえていました。写真手前は都市高速道路があり車の往来が見えていますが、海そのものは静かに夜を迎えました。
「エビのマヨネーズ炒め」 写真を撮り忘れたふた皿が終わる頃にはすっかりと日は暮れました。
この夏空に海辺に足を運ぶほどの元気はありません。でも、海を感じる、海を見るだけでも山の景色にない何かを感じます。久々の海との時間でした。