チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

「国宝 東寺」東京国立博物館

2019年06月04日 | 日々のこと

曇、22度、90%

 東京に入った日、主人との約束の時間まで少しあります。羽田から上野へと急ぎます。期間を3日残すところの「国宝 東寺」を観るためです。

 覚悟はしていましたが「50分待ち」と看板が出ています。日差しがなく、風があるので館外で並ぶのも苦にならないだろうとチケットを求めました。ご年配の方が多い参観者のために給水所まで設置されていました。「この人数で50分?」と思うほどの人数です。約1時間後入館できました。

 密教芸術の宝庫といわれる「東寺」の仏像と「曼荼羅」の展示です。 「東寺」から持ち出された品の数は今までで一番多いと聞きます。「東寺」の謂れの巻物の前ですら人の山。背が低い私は苦渋します。

 主人の仕事のおかげで日本ばかりか、中国、インド、タイの仏像を観る機会を得ました。国によって、その仏像の顔や精密さもずいぶん違います。仏像を作る人が素人の場合もあれば有名な仏師のこともあります。中国の岸壁の仏像の素朴なお顔に身近に感じることがありました。かと思えばタイの仏像のように金箔が施され眩いばかりのものもあります。インドに至るとそのお顔がなんともエキゾチック、眉やお髭までもが太く、濃く作られています。

 仏像は庶民が手を合わせるものから、寺の僧達にしか解禁されないものまで作られた経緯は様々です。道の端に立つ仏像が厳しく、立派である必要はありません。すっと手を合わせたくなるような素朴なお姿がいいと思います。

 今回集められた密教文化を反映する仏像達はどれも気高い顔つきです。中には「ハンサムだわ。」と見惚れるものもありました。その中の一つが唯一撮影可能だった「帝釈天騎象像」です。背の低い私がよくこんなに綺麗に撮れたと、後になって驚きました。

 仏像もさることながら「曼荼羅」も数多く展示されています。インドでは「曼荼羅」を観る機会がありませんでしたが、タイで観た「曼荼羅」の荘厳で煌びやかな様は万人を制すといった趣でした。そのスケールにも目を見張ります。密教文化と聞くと地味な文化を想像しがちですが見事なまでの芸術でした。

 曇り空の下に出て来て、深い満足感がありました。上野のお山の緑の向こうにはスカイツリーが見えています。14世紀と21世紀を一瞬ひとつに感じた光景でした。

コメント
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