雨、27度、89%
毎朝毎朝、パンを焼きます。設備のない家庭で焼くパンです。気温の変化、湿度の変化で発酵の状態を見極めながら焼きます。見極めるなんて素人ですから、毎日同じ配合でも焼き上がりも毎日違います。
数ヶ月前、新聞で発酵食品の中に「パン」が入っているのを見ました。麹や納豆、ヨーグルトと並んで「パン」の文字が。私には少し驚きでした。朝、パンの種を仕込んで冷蔵庫で約1日かけて発酵させて翌朝焼きます。冷蔵庫に入れている時間は長いのですが、それこそ発酵と向き合っています。毎日「発酵のさせ過ぎね。」とか「今日は発酵に時間がかかるわね。」と言った具合です。その私がパンが発酵食品だと書かれているのにピンとこないのです。
パン種は他の発酵食品よりはっきり生きていると感じます。じんわりと膨らみます。酵母は生き物です。ですから「発酵食品」だと言われれば頷けるのですが、しっくりと来ません。おそらく焼くという過程で他の「発酵食品」とは違い見た目が乾燥してしまうからだと思います。280度で焼き上げる我が家のパン、 生きた酵母がガスを発した跡がパンの切り口にちゃんと残っています。
生きた酵母を相手に毎日毎日「発酵」をさせています。頭の中は「発酵」という言葉でいっぱいです。それなのに数ヵ月たった今も「パンが発酵食品?」と思い続けています。