曇、23度、86%
昨日は朝の早いうちに芝刈りをしました。地面に這いつくばって芝を刈りながら、ここ数日の考え事が頭を回ります。「一体いつまでこうして元気に庭仕事ができるかな?」
30年間日本を離れて暮らしました。その間住まいは超高層のマンションです。日本での住まいを私の実家にすることに主人が決めて、改築を始めたのはおよそ7年前のことでした。私にとっては意外でした。実家にだけは住みたくないとさえ思っていました。改築を始めた当時は50代半ばです。いつ帰国とは決まっていない状態での改築でした。
そんな家に帰国して丸2年が経ちます。帰国した時私は60歳になていました。改築したと言っても古い日本家屋です。すきま風、床の薄さなど、30年暮らした香港とは違い冬の寒さは身体に堪えました。元気なので「寒いわね。」「嫌だわね。」程度です。その上、この家の改築時に主人は私に何も相談しなかったので、押入れもありません。収納部分が圧倒的に少なく感じます。使い辛い家の作りです。「本当に一軒家に住まいを決めてよかったのかな?」と思い始めたのは、主人が東京に帰国して新居を構えてからです。私が移り住むわけではありません。
主人の新居は築15年のマンションです。一人暮らしですから、スペースは広いわけではありません。実は私は日本でマンション暮らしをした経験がありません。実際の日本のマンションを体験したのは初めてのことでした。主人と共同名義で福岡タワーのすぐ近くにマンションがあります。15年前、新築を買ってすぐに人にお貸ししているので実際を知りません。要するに主人のいる小さなマンションが私にとって日本のマンション初体験です。
上手に作られた間取り、日本の気候に合わせた床暖房やお風呂場の乾燥機、築15年のマンションですら整っていると感じます。鍵一本で出かけることのできる気軽さはマンション生活の一番の利点です。この家に帰ってきて、生活、空間の無駄を感じます。家の掃除だけでも天井の梁までありますからかなりの仕事量です。しかも4面に庭です。一年中、落ち葉や花、実の物が散ります。この掃除も日々しなくてはなりません。
現在62歳、元気ですので苦もなく日々の家の仕事を片付けています。でも、いつまでも元気であるはずがありません。実際2年前よりスローペースになったような気がします。
今所有しているマンションでは主人と2人では狭すぎます。「いずれマンションに移った方がいいのかな?」と考え始めました。家の掃除も庭仕事も好きです。それでも身体的に無理が来るのは目に見えています。お墓しまいも未だなのに、住まいのことが頭をもたげ始めています。改築当時の50代と今の60代とでは色々な意味で違いが出てきました。次に来る70代を見据えて考えなくたはなりません。