曇、15度、74%
今年は紫陽花が勢いよく葉を吹いています。ついひと月前までは小さなコロンとした新芽でした。植物のこの気温の変化を感じるセンサーに毎春驚かされます。雨上がりの朝、葉っぱだけでも美しい紫陽花を見ていると、「あら、私の昔からの友達!」 これまた春のお目覚めです。
小さい頃から遠くの学校に行き、近所に友達はいませんでした。学校から帰って遊ぶのは家の犬や猫、そして庭にいる「でんでん虫」などでした。今はお弁当なんか広げている裏庭には大きな「青大将」がいたので怖くて入れませんでした。小さな「でんでん虫」や「ヤモリ」を見ているだけで時間を過ごすぼーっとした子供でした。
「でんでん虫」は香港に行く前に住んだ東京の家にも毎年顔を出してくれました。香港に行くと「アフリカンマイマイ」と言う巨大なでんでん虫を飼育箱で飼っていたこともあります。帰国直前にどうやら「アフリカンマイマイ」には毒性があるらしいことを知りました。30年間触っても何の病気にもならなかったのが不思議です。
そして帰国後戻ったのは私が育ったこの家です。4回目の春を迎えて、「でんでん虫」がまた登場です。紫陽花の葉陰を動く「でんでん虫」を見ていると小さい頃の自分を思います。寂しいとかいうのではないのです。こんな小さな生き物をじっと見ていた自分を改めて好きだと感じます。昨日などは見惚れて思わず、「きれいだなあ。」とまで口から漏れてしまいました。
のんびりしたように見える「でんでん虫」ですが、これが意外に足が速いのをご存知でしょうか?さっきいた「でんでん虫」が数分で行方不明になりこともしばしばです。「今年もよろしく。」