チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

テング琵琶ハゴロモ

2020年04月04日 | 日々のこと

晴、10度、86%

 数日前ブルネイについて書かれた記事を読んでいると、一つの小さな写真に目が留まりました。「あら、ライチランタンバグ!」東南アジアに見られる昆虫です。色鮮やかですが希少な昆虫だそうです。脚注を見ると「テング琵琶ハゴロモ」と日本の呼び名が書かれていました。

 「ライチランタンバグ」の和名を私は知りませんでした。もちろん日本に生息する昆虫ではないのですが、昆虫マニアにとっては非常に人気の昆虫だそうです。香港でもそんなに容易く見られる昆虫ではありません。実際に生きている「テング琵琶ハゴロモ」を見たのは30年のうち一度だけでした。

 香港名「ライチランタンバグ」からもわかるようにライチの木によくいる昆虫です。私が木に停まっている「ライチランタンバグ」を見たのは香港島の山の中、主人と山歩きをしている時でした。長さ5センチ程度の虫ですがその鮮やかさに目が行きました。当時まだ40代だったので今よりはるかに目が利きました。そばによったその先から「ライチランタンバグ」は羽を拡げて逃げました。また驚きます。なんと模様のある緑の羽の下の羽は鮮やかなブルーだったのです。帰宅後、「香港動物図鑑」で調べて「ライチランタンバグ」の名前を知りました。

 ライチの木は香港にもありますが私が見たのは「台湾アカシア」の木だったと思います。以来20年、香港の山歩きをするときはライチの木や台湾アカシアの木に「ライチランタンバグ」を探すようになりました。「もう一度見てみたい。」とにかく綺麗な虫です。

 「ランタン」つまり提灯の名前どおりに鼻先は赤い天狗のように伸びています。覆う羽は黄色い模様の入った濃い緑色、このコントラストでさえ歌舞伎の衣装にでもなりそうなのに下羽はなんと真っ青なブルーです。一目惚れをした昆虫「ライチランタンバグ」です。香港ならずライチの木の多い深圳に行ってもライチの木を見れば探しました。夏前に市場に並ぶライチの籠からライチを選ぶ時にも「もしかした潜んでいるかも。」と目を凝らしたものでした。なかなかお目にかかれる昆虫ではありません。

 日本に帰国を決めて引っ越し荷物を出し始めた4年前のことです。確か夏だったと思います。香港島セントラルのビル街の中を歩いていました。一つのビルの前は広場になっています。その広場を横切っている時、地面に転がっている「ライチランタンバグ」を見つけました。既に死んでいましたが、色鮮やかさは昔見たままです。そっと拾い上げ周りを見ましたがライチの木も台湾アカシアの木もありません。

 もちろん手にそっと握ったまま持ち帰り、乾燥剤を入れた瓶に入れました。私にとっては宝物です。帰国の荷物に入れて持ち帰ってきました。実物に逢えずとも思い続けてきた「ライチランタンバグ」の美しいそして奇妙なこの姿。今でも同じ瓶に入っています。それから3年やっと和名「テング琵琶ハゴロモ」だと知りました。久しぶりに瓶から出して手のひらに乗せました。「少し色が褪せたかな?」小さな目は私を見ています。私が惚れた昆虫「テング琵琶ハゴロモ」です。

コメント
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