曇、19度、96%
こんな時勢で訪ねる方もありませんが、先月も半ば過ぎには節句飾りを出して来ました。40数年前のものです。しかも30年間過ごした香港には大きさが大きさでしたので持っては行きませんでした。この家の整理の時に久々に節句飾りを出して来ました。武者人形には太刀と弓、売られていたお店の木札が付いていました。箱にしまわれていた武者人形はカビもつかずにいい状態でしたが、弓や太刀は布部分に汚れがあり始末しました。
息子の初節句の時私が欲しかったのは鯉のぼりです。でも住まいの状況から鯉のぼりを泳がせるスペースはなく、嫁の私が言い出せる訳もありません。主人の実家から贈られて来たのは、 この武者飾りです。10回ほど飾っただけで、この家に残して香港に渡りました。帰国して以来、節句になると出して床の間に飾ります。
この節句飾り、初めて見た時から何故か私の気持ちに添いませんでした。大きいものですが大きさではありません。色合いでしょうか?飾りながらおざなりな気持ちになっている自分がいつもいます。でも、主人の父母の孫への気持ちです。粗末にしてはといつも思い直します。
先日、飾ってある座敷の雨戸を開けて朝日に映るこの人形を見た時、「あっ!」と思い付きました。「間延びして見える鎧は外して、兜だけ飾ろう。」と鎧を箱に戻したのは先月の末でした。すっきりといい眺めになりました。
香港に持って行っていたのは5センチほどの博多人形の方が作った兜でした。 そして、私が欲しかった鯉のぼりは小さな和紙で出来たものを数年前に求めました。
兜だけになった床の間の節句飾りに昨日はぬくぬくの柏餅を供えました。桜葉ほど香りが強くない柏の葉に包まれた餅と餡がふわっと香ります。兜の前にデンと座り、温かな柏餅を食べました。
私が節句飾りを飾り続ける間はこれからこの兜だけになりそうです。