曇、21度、92%
昨年の今頃でした。お歳が上なご夫婦に福岡のホテルのフレンチにご招待いただきました。福岡のフレンチは有名店もあると聞きますが、主人が私の誕生日にと連れて行ってくれたそうした老舗のお店でがっかりした記憶があります。主人が連れて行ってくれたお店では他のお客様はまるで貴重なものを食べるような雰囲気でした。最後にご挨拶にみえた店を任されているシェフの話にもがっかり。
一方さすがホテルですからそれなりのスタンダードなお料理が運ばれてきました。可も不可もなく、決してイヤミのある気取った料理ではありませんでした。コースの中程で箸休めのような感じで出された一皿の上の小さな一枚の葉っぱに目が点になりました。小さい緑の葉はまん丸です。ハサミで切った様子はありません。テーブルに付いている給仕の方に「この葉っぱなんという葉っぱですか?」と尋ねましたがご存じなくキッチンの方に聞きに行かれました。「ナスタチウムだそうです。」食べれるということなので早速口に、お味はしませんがこの葉っぱの形がポイントなのでしょう。最近物忘れをすぐにします。「ナスタチウム、ナスタチウム。」と唱えながら帰りの車に乗りました。
翌日、調べてみると「ナスタチウム」は花も食用とのことです。そこで園芸店に行きすでにシーズンを過ぎた「ナスタチウム」の一株を買い求めました。あまりいい株ではなく葉も傷が入っていたり、でも葉っぱの形は独特です。
この春は種を見つけて蒔きました。ひと月半、早くも花が咲きました。
花いろは真っ赤もオレンジもありますが、どれもはっきりした色合いです。葉っぱだけの時も「ナスタチウム」の一角はワルツでも流れているように軽やかな感じでした。 もう少し花がついたら料理に使ってみようと思います。
主人の仕事の関係からお付き合いくださっているこのご夫妻、長く私まで可愛がってくださいます。奥様のお誕生日だとも知らずのこのこ出かけた自分を恥ずかしく思い出しています。