晴、12度、62%
「浮島」という和菓子をご存知ですか?白餡と卵白を泡立てたものと粉類を入れて蒸し上げる和菓子です。ほんのりとした優しい味がします。型崩れもし辛く、日持ちも良いので施設にいた母によく届けました。歯が弱くなった母が喜んで手にしていた姿が思い出されます。白餡ベースですので色や香りも付けやすくバリエーションが豊富な「浮島」です。
その「浮島」で作った「マカロン」をいただきました。
アーモンド風味のマカロンと違いふんわりとした「浮島」がクリームを包みます。 こちらはフランボワーズの浮島「マカロン」、真ん中はフランボアーズを煮詰めたジュレが入っています。周りのクリームも白餡ベースです。「フランボワーズ」の香りの陰に「白餡」が顔を出すところが楽しい「マカロン」です。
ほうじ茶の浮島「マカロン」口に含んでもほうじ茶だとは気づきませんでした。 濃い茶色が白餡とほうじ茶クリーム、真ん中の白いところは白餡クリームです。ほうじ茶の香りは喉元を過ぎる頃、「あっ!」と気付きます。
この複雑な黄色を見て「はて何のマカロンかな?」一口ではわかりませんでしたが、 真ん中のジュレが微かに「マンゴー」の味がします。浮島の色は確かに「マンゴー」色です。オレンジでも柿色でもありません。「マンゴー」と言われてもジュレがなければ分からなかったと思います。
パリッ、続いてグチョっとした歯ごたえのマカロンとは違い、「浮島」のマカロンは柔らかです。形を真似ても和菓子そのものです。「フランボワーズ」は香、味ともにはっきりとしていましたが、「ほうじ茶」「マンゴー」は主張せず私には「浮島」そのものの味がしました。
和洋折衷のお菓子が日本にはたくさんあります。お菓子好き、新しいもの好き、作る人の意欲も旺盛な日本です。甘いものを午後の時間に一口、穏やかな一日でした。