チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

伴走者

2020年11月04日 | 走ること

晴、12度、58%

 毎朝走りに行く大濠公園でこの1週間、3人ひと組で走る人たちに出会います。薄暗い中・小柄な女性を挟むように走る二人は「伴走」と書かれた反射板のベストを着ています。小柄な女性はおそらく視覚障害者の方です。3人を追い越しながら「おはようございます。」と声をかけると3人揃って「おはようございます。」と返って来ます。

 視覚障害者の「伴走」を知ったのは20年以上も前の事でした。当時主人は毎年「香港100キロトレイル」に参加していました。4人ひと組で100キロ香港九龍の山を縦走します。参加者から募られた参加費の一部が「視覚障害者」の団体に寄付されていました。その関係で毎年目の不自由な人がこのトレイルに参加します。夜中も歩き走ります。この視覚障害者を「目の代わり」になって誘導するのが「伴走者」だと知りました。「伴走者」は目の代わりになるばかりでなく、視覚障害者の体調、心の動きまで把握しながら側を付かず離れず走るのだそうです。

 この20数年、私の「伴走者」はお月様です。夜の月ではありません。明け方の月です。同じ月と思われるでしょうが、夜の月と朝の月では表情が違います。心に重いことを持って走り始めても、空にはどこからでも私を見ているお月様があります。時には雲隠れしたり、月に数日休まれることはありますがほぼ毎日姿を少しずつ変えながら共に走ってくれます。重い心の内を空に向かってポロリと漏らすこともあります。きっとあのお月様の静かな光が私の心の中まで見通しているので、思わず言葉に出てしまうのでしょう。嬉しい事、気持ちの高揚することがあるときは静かに微笑んでくれます。そんな時はお月様は輝きを増して見えます。「一緒に喜んでくれてるのね。」と感謝します。

 あと何年この美しい「伴走者」と走れるのかわかりません。朝のお月様と過ごした時間は私の貴重な思い出になると思います。

 今朝もあの3人に出会えるでしょうか。

コメント
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