曇、15度、74%
20年ほど前、初めてポルトガルを旅した時のことでした。リスボンから郊外に向かう電車に乗っていました。ヨーロッパの石造りの小さな家々の庭には、遠目からもわかるレモンの木が黄色い実を付けていました。 ポルトガルのレモンは大きくて握りこぶし2つほどの大きさ、酸味の少ないレモンでした。庭にレモンの木があることに憧れたのはこの時です。
帰国が決まって、厚かましい私は友人の家にあるレモンの木を分けてくださいと頼みました。帰国後まもなく、寒い中、挿し木されたレモンの苗木を受け取りました。日当たりもわからないまま植え付けてもうすぐ4年目を迎えます。小さな苗木は見上げるほどに大きくなりました。春になると白い花をつけ、その甘い香りは蜂でなくても誘われます。この春もたくさんの花を付けました。蜜蜂のおかげで実もたくさん結びました。あまりに多いので20個ほど摘果しました。この夏の残暑の厳しさから、レモンが葉を落としました。葉数が少ないとたくさんのレモンを育てるだけの木の体力がありません。そこで、思い切り30個ほど摘果しました。摘果した青レモンで「チャツネ」を作りました。庭からの贈り物は無駄にできません。
気候が落ち着いて、レモンが一つ一つが大きくなり、今年は早々と黄色く色付き始めました。昨日、残したレモンの数を数えると30個ほどです。若木の細い枝はレモンの重さで撓んでいます。 我が家の庭にも憧れのレモンがなりました。
レモン木は裏庭にあります。古い木を数本切り倒しましたが、古木の大きな「モチノキ」や「マキの木」が残る裏庭です。この庭の塀に手を入れた時、ボルトガルの「アズレージョ」のタイルをはめました。裏庭は、3箇所全て「レモン」と「かたつむり」です。 小さい頃遊び友達がいなかった私の遊び相手は家の犬たちと「カタツムリ」でした。そして念願のレモンの木をこの庭に植えることが出来ました。この「アズレージョ」を選んでくれたのは、私の思いを知る主人です。
大きな木が残る裏庭ですが、日当たりが十分です。晴れた日にはココさんが特等席でうつらうつら。
もうすぐ収穫です。さあ、レモンで何を作りましょうか。